物忘れとは
「何度も同じことを聞いてしまう」「鍵や財布をよく忘れる」「会話中に言葉が出てこない」など、年齢とともに物忘れを感じる方は増えます。単なる加齢による記憶力の低下もありますが、認知症などの疾患が関係していることもあります。早期の評価と対応が大切です。
物忘れの原因
主な4つの原因
1. 加齢に伴う記憶力の低下
- 記憶の一部を忘れる
- ヒントがあれば思い出せる
- 日常生活に支障は少ない
2. 認知症
- 体験そのものを忘れる
- 同じ話を何度もする
- 時間や場所がわからなくなる
3. うつ病・ストレス
- 集中力・意欲の低下
- 仮性認知症として現れることも
4. 脳血管疾患や外傷
- 脳梗塞、脳出血などによる認知障害
- 頭部外傷後の記憶障害
関係する疾患
アルツハイマー型認知症
もっとも一般的な認知症で、徐々に記憶力が低下します。
脳血管性認知症
脳梗塞などが原因で発症する認知症で、症状は段階的に現れます。
うつ病による仮性認知症
意欲の低下により認知機能が低下しているように見える状態です。
レビー小体型認知症
幻視やパーキンソン症状を伴う認知症です。
受診の目安と検査
受診の目安
- 物忘れが頻繁になった
- 日常生活に支障が出ている
- 家族や周囲から指摘される
- 同じ話を何度も繰り返す
- 道に迷うことが増えた
診察と検査の流れ
1. 問診・認知機能検査
MMSEやHDS-Rなどの簡易テストを行い、症状を評価します。
2. 血液検査
甲状腺機能・ビタミン不足・感染症などの除外診断を行います。
3. 画像検査(MRI・CT)
脳の萎縮や血管障害の有無を調べます。
治療と対応
薬物療法
認知症のタイプに応じた薬物治療を行います(ドネペジルなど)。
非薬物療法
認知リハビリテーション、生活環境の調整、家族支援などを組み合わせます。
うつ病の場合
抗うつ薬やカウンセリングを中心に治療を行います。
よくある質問(FAQ)
Q1. 物忘れがあるとすぐに認知症ですか?
A. 加齢による変化と認知症は異なります。専門的な検査で見極めが可能です。
Q2. 家族が同じことを何度も聞きます。受診の目安ですか?
A. はい。初期の認知症の可能性もあるため、一度ご相談ください。
Q3. 本人が受診を嫌がります。どうすれば?
A. ご家族だけでの相談も可能です。対話の方法などもお伝えします。
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